ピアニストが最も注意を払っている演奏の完成度を低くさせてしまうこと
今回は演奏の完成度についてのお話です。
- 雰囲気は良いんだけど、ちょっとねぇ…
- 完璧なんだんけど物足りないのよねぇ…
演奏に対して残念そうにこういった感想を言われた事はありませんか。
完成度の低い演奏にはいくつかの共通ポイントがあります。
ここでは3つの完成度を低くさせてしまう要因と、さらに深掘りしたその原因について以下を解説していきます。
- 焦って聴こえている
- 単調に聴こえている
- 技術的な問題が露呈している
【ピアニストが解説】演奏の完成度を低くさせる3つの要因
【ピアニストが解説】
演奏の完成度を低くさせる3つの要因
演奏の完成度は、聴こえてきた音楽がより自然で魅力的であるという所に基準があります。
奏でる音楽が
- どの様な状態に聴こえている時完成度が低く聴こえるのか
- どういうことが原因でそうなるのか
という事が分かるようになると、完成度を上げていく第1歩になります。
では以下3つの要因と原因について
- 焦って聴こえている
- 単調に聴こえている
- 技術的な問題が露呈している
これらを解説していきます。
焦って聴こえている
焦って聴こえている演奏は、演奏者が緊張などで呼吸ができなくなるのが大きな原因です。
焦って聴こえるのはこんなことが原因です。
- フレーズの最後を端折っている
- 裏拍が狭い・拍の間隔がだんだん狭くなっている
- 細かいパッセージがすべっている
フレーズの最後を端折っている
雑に聴こえる演奏の最も多い原因です。
次のフレーズのことに気を取られ、フレーズの最後を聴いていないため以下のようなことが起こっています。
- 音が抜けている
- 不用意なアクセントがついてしまっている
裏拍が狭い・拍の間隔がだんだん狭くなっている
だんだんと裏拍が狭くなるとテンポが上がっていってしまいます。
そしてフレーズの最後がちゃんと弾けない状態になって端折ってしまう。
さらに拍が狭くなっていくというヤバいスパイラルに陥ってしまいます。
呼吸ができなくなるためだんだんと焦った印象になっていきます。
細かい音がすべっている
細かいパッセージが不適切にぼやけたり、粒が揃っていなかったりすると滑ってきこえます。
不安定になり焦った印象の演奏になってしまいます。
単調に聴こえている
単調に聴こえる原因はこんなこと
- コントラストが薄い
- アゴーギグが固い
- 節回しがワンパターン
コントラストが薄い
全てf寄りなうるさい演奏、またはあまり起伏のない大人しすぎる演奏は平坦に聴こえてしまいます。
楽譜の読み方が甘いのも原因の一つですが、適切な音を耳で知らなかったり、パフォーマンスのエネルギーが足りない場合にもコントラストは薄く聴こえます。
アゴーギクが固い
呼吸せずにメロディーを弾いたり、固くなって一本調子のテンポ感で弾いてしまう事が原因。
テンポのか加減は基本的には大きな拍は崩さずに細かいパッセージで行います。
音楽の邪魔にならずかつ人を惹きつけるアゴーギグをつけるには自然な音楽の流れを学ぶ必要があります。
節回しがワンパターン
和声や旋律のパターン、または調性などによって多彩な変化があるはずの音楽を、単一な理解で音楽記号に頼った表現すると単調なイメージになります。
また自分の感じるがままの無秩序で独りよがりな節回しも、ワンパターン化しやすいので注意が必要です。
技術的な問題
どんなに内にある音楽が素晴らしくても、表現ツールである技術が足りないと、伝わる音楽も拙いものになってしまいます。
技術的な問題だなと聴きとられてしまうのはこんなところ
- ミスが多い
- スケールやアルペジオなど基本的な音型の粒が揃っていない
ミスが多い
跳躍を外したり弱音が抜けたりするのは技術力が足りないから。
ひっかけるなどのミスよりも「音抜け」が最も技術が弱いとされます。
ミスの多さは基礎力不足が原因。
スケールやアルペジオなど基本的な音型の粒が揃っていない
スケールやアルペジオといった細かい技術の基本てきなパッセージの粒ぞろいの悪さも基礎力不足が原因。
まとめ
完成度を低くさせてしまっている要因3つについて
- 焦って聴こえている
- 単調に聴こえている
- 技術的な問題が露呈している
これらと原因を解説してきました。
上記の項目をクリアすれば演奏の完成度はかなり上がります。
しかしこれらをクリアする練習は決して楽ではありません。
特に焦って聴こえる演奏がクセの人は、基礎力+焦りの修正になるのでかなり時間がかかります。
これらは継続してやるのがホント大変で、途中で挫折している人も多いと思っています。改善すればかならず向上しますので、頑張ってくださいね。
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