あんまり練習していない発言の危険性
「あんまり練習出来てない」「あんまり寝ていない」「難しい…」という言葉は、殆どの人が口にしてしまった事があるのではないでしょうか。

言ってるかも。

誰もがつい言ってしまう「あんまり練習していない」発言は、いったいどうして良くないのでしょうか。では以下を見ていきましょう。
本当に練習していないのか
あんまり練習していない、体調が悪い、あんまり寝ていない。などは、言い訳の鉄板と言えます。これらの発言は、結果が悪かったときのための自己防衛です。うまく弾けないのは練習していないせい、体調が悪いせいとあらかじめ発言しておくことで、もし演奏がうまくいかなかった場合の自分自身のプライドを保つことができるからです。
あんまり練習していない発言の正体
これは、心理学的には「セルフ・ハンディキャッピング」と言います。失敗して自分が傷つくことへの防衛で、うまくいかなければ練習出来てないと言い訳がたつし、もしうまく演奏出来ればあんまり練習しなくても弾けるじゃん、と快感を得られるために言ってしまうのです。
セルフ・ハンディキャッピングには行動によるものと、言葉によるものがあります。練習していない発言の裏には、他のことをして本当に練習していない場合と、練習していないと発言する事で上手く弾けなかったときの心の予防線を張る場合の2種類があります。
何故良くないのか
自分自身に言い訳がたち、一見周りから嘲笑されたり批判されることから防御しているように思えるこれらの発言は実際には良い影響がありません。発言することによって、本来はもうすこし頑張れることのはずなのにパフォーマンスが落ちてしまうと言われています。
それは発言することによって、自分の出来うる演奏をしようする目的より自己防衛に目的がすり替わってしまうからです。そして他人の批判から逃れようとしているのに、実際にはかなりの悪印象を人に与えてしまいます。
改善するには
セルフ・ハンディキャッピングは自己肯定感や自尊心を養うことで改善されます。大事なのは「言い訳をしないクセをつける」ことです。
しかしなかなかすぐには改善は難しい…という方にオススメの方法は
「あんまり練習してない…」と言ってしまった後に「…ことはない!」「…とは言わない」など二重否定語を付けることです。これは言いたい欲求も満たし、その後否定することでハンディキャッピングを打ち消すことができます。心を少しだけ強くするおまじないだと思って是非ためしてみてください。
【オススメの本】
【参考】
- セルフ・ハンディキャッピングの研究動向 (東京大学学術機関リポジトリ)
- 課題着手の先延ばしとセルフ・ハンディキャッピング (早稲田大学 教育・総合科学学術院 学術研究)
- セルフ・ハンディキャッピングとは (Study Hucker) 他
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