表現を高めるには練習のアプローチを変える
今回は音楽の表現についてのお話です。
音楽を表現しなさい
このような指摘を受けたことはありませんか?でも具体的には示してもらえなければ、どうすればいいのか分からない…と悩んでしまいますよね。
子供の頃にレッスンで
「espressivo!表情豊かに!」
と注意された時、一生懸命に顔の表情を変えて周りの大人の爆笑を誘ったという経験をお持ちの方もいるでしょう。
何も意識せずに楽器を奏でれば音楽的な表現になる人もいれば、工夫を凝らさなければ音楽的な表現にならない人もいます。どこにその違いがあるのでしょうか。
今回の記事では、表現をしているつもりだけれど音楽的な表現にならない人がの何をどうすればいいのヒントになるように
- その表現、勘違いしているよ!
- アプローチを変えてみよう
こういった内容でお話していきます。
【表現力は才能?】表現を高めるには練習のアプローチを変えてみよう
【表現力は才能?】表現を高めるには練習のアプローチを変えてみよう
表現力は才能だ…と思っている人もいるでしょう。ぱっと音楽を表現できる人はきっとそれが才能なんだろうな…才能がある人なんだろうなと思われます。
確かに表現できている事実から才能があると言えますが、パッと演奏して出来上がる音楽はどれも自己表現の範囲内のものとも言えます。
クラシック音楽は色んな時代の様々な作曲家による作品があり、コレが正解だ!というものはないです。しかしこのような演奏をしなければならないという偏った感覚の人も少なくない世界なので「表現」としてみとめられるにはかなり苦労します。
また一辺倒な自己表現が目的の演奏は表現力があると認められにくく、ある程度の条件が必要になってきます。表現力のある演奏は以下のようなことが満たされていると「表現力がある」と思われるようになります。
- 作品を表現しうるテクニックに不足がない
- 音楽の基本的な表現を理解している
- 作曲家や作品の意図を組んだ表現である
- 聴き手に伝えるエネルギーが演奏にある
- 聴き手に音楽として伝わっている
では次に表現しているのに伝わらない理由をお話していきます。
その表現、勘違いしていませんか
表現力を高めようと、あれやこれやとやるけれど空回りしたりうまく伝わっていない場合は、表現することを勘違いしているのかもしれません。
では、以下の3つの質問に答えてみてください。
- 演奏とは自分を表現することだ
- 表現するとは沢山、何かを出すことだ
- 演奏する曲は自分の好きなように演奏するのが大事だと思う
これらの質問に1つでもYESと答えたのなら表現することとは何かを勘違いしてしまっているかもしれません。
アプローチを変えてみよう
初心者で弾くことで精いっぱいであったとしても何某かの表現はしていきたいですよね。クラシックの曲を演奏するとき自分の作品を演奏するのでなければ、他人の作品を演奏します。
クラシックの作品は「作曲家の頭の中の音楽を楽譜と言う形で伝えようと残したものを読み取り表現する」というのが演奏するスタンスで必要なところです。しかしどうしても自分の気持ちや自分の思いなどを表現しようとしがちになります。
表現力を高め音楽を伝えるためには、人の造った作品を演奏するというマインドに変えていく必要があります。そこからさらに練習や取り組みのアプローチを変えていく必要があります。
では次に表現とは何か、表現が伝わらない理由と具体的なアプローチ方法を解説します。
表現が伝わらない理由
表現力がない、演奏が伝わらない理由は以下の原因が考えられます
- 演奏を自己表現と捉えている
- 足し算や掛け算の表現しかしていない
- 作品の音楽と作曲家が伝えたいことを表現していない
表現するってどういうことか
作曲家が楽譜と言う形で伝え残した作品を再現するのが演奏です。なので演奏で表現することというのは
その作品を自分と言う媒体で作曲家が伝えたいことを表現する
というスタンスであるのがレベルに問わず理想です。
表現力を高めるためのアプローチ
表現力を高めるため、練習において必要なマインドは
- 作曲家と作品がどういう曲なのかを知る
- 音楽の基本的な表現を学ぶ
- 表現しうる技術力をあげる
作品を伝えるというのは音楽を表現するという基本的なマインドです。そのために技術を磨き楽曲を勉強します。
具体的には…
- 西洋音楽史・作曲家の伝記を読む
- 楽典や楽曲分析が出来るようになる
- 基礎練習やエチュードでポテンシャルアップ
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まとめ
表現力を高めるには以下の3つが大切
- 作曲家と作品がどういう曲なのかを知る
- 音楽の基本的な表現を学ぶ
- 表現しうる技術力をあげる
表現力はパッと弾けてしまう才能よりも、そのような表現になるためのアプロ―チが出来るかものすごく大切です。ようするに感覚だけでパッと弾いたり、また逆に理論理屈やうんちくばかりではなく色んなアプローチをしながら表現につなげていくということ。
このような多角的なアプローチで練習の積み上げが出来るという「努力」という才能が必要なのです。
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