【効果あり!?】音楽が伝わらない演奏を伝わる演奏にする改善策

2021年4月4日思考法,心理学・脳科学,ピアノ弾きのつぶやき,演奏,つぶやき

今回はこんなお悩みを頂きましたのでお応えしていきます。

ちゃんとは弾いているけど「音楽が伝わってこない」と言われます。音楽が伝わる演奏をするにはどうしたら良いですか?

演奏しても「音楽が伝わらない」ことがお悩みとのこと。

結論から言うと伝わらないのは「エネルギー不足」です。

これはテクニックとかミスなく弾くとはちがった話になります。

ここでは「音楽が伝わる演奏」について、こんなことをお話していきます。

  1. 音楽が伝わる演奏と伝わらない演奏の違い
  2. なぜ伝わらないのか
  3. 伝わる演奏への改善

では解説してきます。

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【効果あり!?】音楽が伝わらない演奏を伝わる演奏にする改善策

【効果あり!?】音楽が伝わらない演奏を伝わる演奏にする改善策

まずは「伝わる」とはどういうことかについて説明をみてみましょう。

伝わる

 話などが一方から他方へ通じて広がる。情報が人から人へと知らされる。
 昔から受け継がれて、今に至る。代々受け継がれて残る。
 海外など、よその土地から入って来る。伝来する。もたらされる。
 熱・音などが、ある道すじを通って他方へ届く。
 何かを仲だちにして、雰囲気などが感じ取られる。
 物に沿って移動する。つたう。

デジタル大辞泉

一方から別のところに何某かが届いてそこに影響がある…という感じです。

演奏から音楽が伝わるというのは1と4と5がこの中ではその意味になります。

演奏者のどのような音楽がどうやって聴き手に伝わるのかがわかることが、まず「音楽が伝わる演奏」への第一歩となります。

では以下の3つを解説していきます。

  1. 音楽が伝わる演奏と伝わらない演奏の違い
  2. なぜ伝わらないのか
  3. 伝わる演奏への改善

音楽が伝わる演奏と伝わらない演奏の違い

ざっくりと音楽が伝わる演奏と伝わらない演奏の違いについて以下の2つの切り口からお話します。

演奏に技術的な問題があるといった聴覚的に不快となる要素がない前提です。

  1. 演奏を聴いた時の感覚
  2. 実際に演奏している時に伝わっているいないの感覚
演奏を聴いた時の感覚

伝わる演奏

  • なんか聴いてしまう
  • 心地よく感じる
  • 息をのんだり深く呼吸ができたり音楽の呼吸とシンクロする
  • イマジネーションが刺激される
  • 心が動く

伝わらない演奏

  • 聴きながら他のこと考えれてしまう
  • キレイだけど退屈
  • 心地は悪くはないが…
  • 薄いと感じる
  • 心が動かない

聴き手のメンタル状態や嗜好性にも大きく左右します。

演奏や音楽を聴く経験値が高くなればなるほど、音楽から得る情報と感覚の共通する認識が増えるので一定ラインはあります。

また、コンクールなどにある「聴衆賞」と「審査員の評価」が大きく分かれることがあるのも、演奏から聴きとることが違うからおこります。

なのである人には響いてもある人には全く響かないということも演奏においてはよくあります。

実際に演奏している時に伝わっているいないの感覚

伝わる演奏

  • 会場の空気がよどまない
  • お客さんが聴いてるというのが感じられる
  • 演奏してる時にちょうど良い集中ができている

伝わらない演奏

  • 会場の空気が散漫
  • お客さんがざわついたり落ち着きがない
  • 演奏している時に色々ちいさい
  • 集中力が散漫

音楽が伝わっていると奏者が感じる時、それまでざわついている客席が一瞬で整う感じがあります。

それはお客さまが「なんか聴いちゃう…」から。

伝わらない演奏は奏者とお客さんと両方に原因があります。

演奏者側の伝える力によってかなり変わるなというのが人前に立っている時に感じます。

なぜ伝わらないのか

嗜好性の問題はここではおいておき、音楽が伝わらない理由を

「エネルギー不足」

と定義してお話していきます。

演奏が「伝わる」の意味は上述の

 話などが一方から他方へ通じて広がる。情報が人から人へと知らされる。
 熱・音などが、ある道すじを通って他方へ届く。
 何かを仲だちにして、雰囲気などが感じ取られる。

この3つです。

音楽を奏でると音の情報、楽曲の雰囲気、このあたりは何となく伝わりますが、物理的な「熱」の部分が伝わるかが演奏に大きく影響します。

演奏する時のこの「熱量(エネルギー)」によって演奏のこんなところに違いが出てきます。

  1. ダイナミックレンジ
  2. フレーズのタイミング
  3. アゴーギグのレンジ

ではここで1つ例を挙げてみましょう。

ある個所をフォルテで演奏する時に、このような違いを想像してみてください

  1. 動作なくぶっきらぼうに音を大きく弾く
  2. 遠慮がちに弾く
  3. 息を大きく吸って「さぁフォルテだ!」というタイミングで弾く

同じ曲の同じフォルテでも、奏者の演奏するエネルギーの違いによってタイミングもバランスも変わってきます。

この例では、1と2がエネルギーが足りない演奏です。

エネルギーが足りないと、ダイナミックレンジも狭くなり、ちょっとしたタイミングやアゴーギグや間も早まったり短くなったりします。

これらが楽曲の色んなところで積み重なっていくことで「表現の幅」がだんだん小さくなる。

これが演奏から音楽が伝わらない原因の一つです。

伝わる演奏への改善

表現の幅が小さくなることで音楽が伝わらないという事を上述しました。

人は

ギャップ

に心を持ってかれる性質があります。

差が大きければ大きいほど心を奪われるという人の心のしくみです。

なのでエネルギー量があればこのギャップを大きくすることが出来るため、結果として人の心が動き

音楽が伝わる演奏

という事になります。

(※伝わる要因の1つであり、音楽が伝わるのはギャップだけではありません)

ギャップの大きい演奏にするために必要な事

  1. 楽譜にあるダイナミックをよく読む
  2. 弱い音はより弱く、強い音はよりつよくダイナミックの幅を設計をする
  3. フレーズの入り、山、終わりをよく読む
  4. 効果的にフレーズが聴こえるように特に終わりの始末を丁寧にする
  5. フレーズ、音型、和声から呼吸や心拍に合った適切なアゴーギグを表現する

簡単に言うと

楽譜をちゃんと読んで適切に表現する

という事なんですが、これをアタマで考えてしまうと表現に制限がかかってしまうので、演奏する時は

感覚的に全身で表現する

というのが音楽が伝わりやすくなります。

音や音楽音色が沢山ストックされている音楽家の場合は、これらの多くを感覚的に処理しています。

演奏することにエネルギーを費やすことができるため表現の幅も大きくなります。

(※ それぞれに独自の方法があり、またアンサンブルや演奏形態によって変わるので、独奏の一例としてとらえてください)

まとめ

音楽が伝わらない演奏の改善策について以下解説しました。

  1. 伝わる演奏と伝わらない演奏の違い
  2. なぜ伝わらないのか
  3. 伝わる演奏への改善

最後に個人的な感覚ですが、自分の演奏を客観的に聴いた時に伝わる演奏と伝わらない演奏があり、伝わる演奏の時にやっていることはこの3点

  1. 自分の身体から音が出てくる
  2. 程よい集中をしている
  3. いっぱい色んなものを出して弾いている

言語化するのがちょっと難しい感じなんですが、リラックスしてるけどものすごくエネルギー使ってるな。という感覚です。ご参考になれば。

「伝わる」ということについて、人は言語以外の何から情報を得ているのかを以下の記事に書いています。こちらもご参考に。

参考サイトおよび文献


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