音が浮くのはなぜか。ピアニストは原因を知っている
今回はピアノの音が浮いてしまう原因についてのお話です。
演奏をしている時、コントロールがうまくいかず音が浮いてしまうという経験はありませんか?
音が浮いてしまうのはいくつか理由がありますが、以下の3つについてお話していきます。
- 緊張によって身体のコントロールができなくなった
- 技術のポテンシャルが低い
- 楽器のコンディションが悪い
では解説していきます。
【ピアニストが解説】ピアノの音が浮いてしまう3つの原因
【ピアニストが解説】ピアノの音が浮いてしまう3つの原因
緊張によってコントロールができなくなった
緊張は自身の命を守るために人に備わった不安からくる反応です。
危機にすぐ対応できるように研ぎ澄まされ、また身を固くして攻撃から守ります。
本番などで起こる緊張も不安が原因である場合が多く、身体が固くなってしまいます。
身体が硬直した状態は、本来演奏に必要な適度な脱力を伴った動きの妨げになり、指先が思うように動かない、または適切に腕の重さを指先に伝えられなくなってしまうのが音が浮く原因です。
しっかり練習を積んでいる場合は、少しすると状況と楽器に慣れてコントロールできるので、焦らず演奏することが大事です。
技術のポテンシャルが低い
音をコントロールするポテンシャルがない場合は、さらに緊張を伴う本番では抜けたりまた力が入りすぎて大きすぎる音になったりします。
特に本番前には負荷系の基礎練習をしっかり積むことで指先が鍵盤をとらえる感覚が冴えてきます。
慢性的な音浮きには基本的な技術のポテンシャルを上げる必要があります。
楽器のコンディションが悪い
ピアノは演奏場所に設置されている楽器を演奏しなければならなく、行ってみてびっくりするような状況に出会うこともしばしばあります。
気候もよくよく手入れされ管理されている楽器ばかりに出会う事ばかりではないので、どういう楽器が良くないのかを知っておくことも必要です。
特にコンディションが悪い楽器と会場には以下の特徴がみられます。
- 湿度と温度の管理が甘い
- 管理が雑
- 長年手入れがされていない
- 調律はしているが調整がされていない
- ハンマーや鍵盤が不ぞろいでタッチが揃っていない
奏者に楽器コントロールの力があれば数分するとコントロールできるようになって聴き手には殆ど弾きにくさが伝わらない演奏ができますが、かなり苦戦します。
コントロールする力がなければ、楽器の状態によって音浮きは起こってしまいます。
まとめ
ピアノの音が浮いてしまう原因について以下の3つ
- 緊張によって身体のコントロールができなくなった
- 技術のポテンシャルが低い
- 楽器のコンディションが悪い
解説しました。
音が浮くというのは、心因的な原因と根本的な技術の問題に加え、楽器によるところも大きく関わっています。
特にピアノの状態というのは調律師さんの腕によっても大きく変わります。
コンサートホールでプロの相手をしている調律師の方と、家庭回りの調律師になったばかりの人では、作り出される音もタッチの調整も、別楽器のように違ってしまうので、調律師さん選びはとても大事なポイントの1つです。