室内楽で演奏するために必要なこと【ピアノに必要なアンサンブルの力】

2019年8月6日演奏,室内楽バランス,人間力,テンポキープ

ピアノは一人でも演奏が成り立ってしまう楽器ですよね。なのでアンサンブルをする時に人間関係で悩んでしまう人もいるのではないでしょうか。

他の楽器も独奏曲はありますが、ピアノと違いアンサンブル演奏の方が圧倒的に多いのですね。

ピアノの人は学習する時はソロが圧倒的に多いですよね。アンサンブルの経験は積極的に取りにいかないとなかなか難しいのが現状です。

そしていざアンサンブルをする時には経験値が低いがゆえに色々と悩んでしまう人も少なくないようです。

ミャウジ
ミャウジ
伴奏は室内楽じゃないの?
アンサンブルだけど室内楽とは言えないものもあるよ。そもそもがピアノと他の独奏楽器のために書かれているものは室内楽というよ。
かずねぇ
かずねぇ

伴奏もアンサンブルですが独奏楽器を引き立たせる事に重視して演奏されたり仕事として演奏することが多いのでここでは線引きをしておきます。

この記事では

  1. 室内楽と伴奏の違い
  2. アンサンブル力に必要な能力と勉強すべきこと

これらについて解説していきます。

スポンサーリンク

室内楽で演奏するために必要なこと【ピアノに必要なアンサンブルの力】

室内楽で

演奏するために必要なこと

【ピアノに必要なアンサンブルの力】

室内楽は各楽器が同等に主張したり伴奏に回ったりする形態です。

楽譜を見て弾けるんだから、ソロよりいいよねと思う人もいるかもしれませんが、かなり多岐にわたった能力が求められます。

必要な能力は以下です

  1. 室内楽でのピアノの立ち位置
  2. スコアリーディング
  3. 楽器特性の理解
  4. 安定したテンポ感
  5. 人間性

では深掘りしていきましょう。

室内楽でのピアノの立ち位置【伴奏と室内楽の違い】

まず伴奏と室内楽の違いをもう一度整理しておきましょう。

  • 伴奏…独奏(独唱)が最大限に引き立つように音楽を作る
  • 室内楽…各楽器が対等で主張したり伴奏したりしながら音楽を作る

この立ち位置を間違えてしまうとアンサンブルの機会を失ってしまう事になります。

スコアリーディング能力【各パートと全体をわかる】

ピアノは一人で演奏する機会が多いので、自分のことだけ、右手だけ、メロディーだけに耳が行きがちです。

室内楽では他の楽器の人の音がある流れの中で、自分と共演者の音が合わさって音楽であるという事を理解する必要があります。

そのためには、自分のパート以外の音も分かっておかなければならないので、スコア全体を読めている必要があります。

自分が今、メロディーなのか和声を担っているのか、共演の楽器とは楽譜上でどういう絡みかたをしているのかを分かって演奏しないとバランスが崩れてしまいます。

ピアノの特性と共演楽器の特性をわかる

楽譜上でピアノも他の楽器も同じ音型なのに、共演楽器とフレージングが違ったりタイミングが合わないときがあります。

これはそれぞれの楽器の演奏動作が違うためです。

各楽器やパートの特徴的な動作は以下です。

  1. 管楽器・声楽…息継ぎ
  2. 弦楽器…ポジション移動、ボーイング
  3. ピアノ…跳躍

ピアノの場合は跳躍する時に他の楽器に影響することが多いですね。

また下行形の音階がピアノの場合は加速しがちで、各楽器の奏法によってお互いに気をつけ折り合いを付けなければならないことがあります。

テンポのキープ

これはアンサンブルにおいて最も大切なことです。

ソロ演奏の良いところは自分の思うままにアゴーギクができることです。

しかし室内楽においては基本的な音楽の流れは一定でなければ合いません。

特に人数が増えるにしたがって俊敏な機動力がなくなるため、大きなかたまりとして皆で音楽を流していくことになります。

個々が細かいアゴーギクに頼る演奏や、打ち合わで細かい事を決めすぎるのは、かえって音楽を小さくしてしまいます。

皆が拍感とテンポ感を共有することがとても大切になってきます。

ある程度の基本テンポを身につけるためにメトロノームでの練習もかかせません。

人間性

室内楽は面白い事に、担うパートによって特徴的なキャラクターがあります。

各パートに対等な価値が置かれてはいるものの、音楽において音域独自の役割があります。

その役割が人間のキャラクターにもある程度反映されていなければ、アンサンブルとして自然な響きや音楽にならないというのもあります。

ピアノに求められるのは俯瞰力と受容性です。全体を観れてバランスを取れる人間でなければ室内楽は難しいものになります。

まとめ

これらを踏まえて自分の役割を淡々とこなす必要があります。

また、個人ではなく全体として影響があるのが各奏者のポテンシャルです。

共演者同士でのポテンシャルに差がありすぎたり、あまりにも自分勝手な人が一人でもいると、違和感があって音楽にならないので人選にも気を使わなければならない演奏形態です。

サイト内関連記事