敢えて下手に演奏することで分かる上達しない人の問題点
今回は、Debussyの練習曲の第1番「5本の指のための」の冒頭を、わざと下手に弾くために試みたことから分かった、上達の妨げになっている技術的な問題についてのお話です。
ドビュッシー作品はシニカルなものも多くこのエチュードもその1つ。
冒頭の左手を初心者のように演奏する(個人的な解釈です)表現をします。
演奏は本来上手に流暢に弾くために練習を積みますが、わざと下手くそに弾くというのは結構難しかったりします。
下手に演奏するためにしたこと=上達しない人の問題点
ということでもあります。
- 手首や関節を固定する
- 指を上げる
- 力を入れる
つまり、これらが下手な原因でもあるわけです。
では解説していきます。
敢えて下手に演奏することで分かる上達しない人の問題点
【ピアニストが徹底解説】
下手に演奏するために
試みた3つのこと
ドビュッシー 12の練習曲 第1番 5本の指のための”ツェルニー氏に倣って
” C.Debussy Douze Études pour piano “Pour les cinq doigts, d’apres M.Czerny"
というツェルニーの無機質なエチュードを皮肉ったタイトルの練習曲。
冒頭のドレミファソファミレ…というのを、いかに下手に弾くかがポイントです。
下手に演奏するために試みたこと3つ
- 手首や関節を固定する
- 指を上げる
- 力を入れる
ではこれらを深掘りしていきます。
手首や関節を固定する
手首を固定すると動かせるのは…
- 首や手首から遠い部分の関節を少し
- 指
ピアノは指で弾きますが指は歩兵のようなものなので、手首で指令が止まるとほぼコントロールができなくなります。
流暢に演奏できている時は関節や身体は程よい脱力状態です。各関節を連動させながら、色んなバランスで演奏することで多彩に音色を作ることができます。
指を上げる
初心者や未経験者のエアーピアノのポーズでは、ピアノを弾くというジェスチャーは指をバタバタ動かすしぐさをしますよね。
指をバタバタさせるとこんなことが起こります。
- 打鍵のタイミングがズレる
- 余計に力がはいってしまう
しかし実際の演奏で意識的に指を上げる動作もあります。
- はじくようなスタッカートの奏法
- 意識的に次の音のタイミングを計るとき
敢えて指を上げる動作にかかる時間を利用する時…という感じでしょうか。
力を入れる
脚などの大きな筋肉に力を入れると逆に末端が脱力できるので脱力する時にはそうします。
下手に弾くときは、首や腕などに力を入れるとコントロールが効かなくなる感じです。
まとめ
下手に演奏するために試みた3つのこと
- 手首や関節を固定する
- 指を上げる
- 力を入れる
これらについて解説しました。
下手な演奏をしてしまう時というのは、身体がガチガチになってしまっていたり、コントロ―ル出来ない状態になっている時と言えます。
また力を入れるのとは逆に、力を抜きすぎてフニャフニャに演奏するのも下手な演奏になってしまいます。
逆説的に考えたら、これらを克服すればかなり流暢に演奏できるようになるので、改善の手掛かりにしてみてくださいね。