超絶難しいピアノ曲 5選
ピアノ楽曲はものすごい数があり、生涯ですべてを弾くのは不可能でしょう。新たに楽曲も生まれているし、またまだ世に知られていないすごい楽曲も沢山存在しています。
作曲者自身が挑戦的に書いた作品を実際に演奏してみてもまず譜読みから音楽になるまでも大変で、なおかつ演奏することも最難曲と言えるいくつかの楽曲の中から、超絶難しい5つをご紹介します。
ラフマニノフ ピアノソナタ 第2番 Op.36
第1版と改訂版で大きく異なる部分も多くあり改訂版は洗練された構成になっています。ラフマニノフは自身が演奏するために作曲をしているため、彼の手のサイズに合わせた音の配列が標準的な日本人女子には岩をつかむような感覚を持たざるを得ない箇所も多くあります。
また、和声の重厚感はロマン派の作曲家のものとは比べ物にならない不協和音程を含む複雑な音構成となっており、規則性があるようで無い音列に暗譜の壁も非常に高い。
20分程度のソナタであるが、相当な体力を使う楽曲である。
楽譜と音源
楽譜は第1版と改訂版を読み比べられるものがおすすめ。何故改訂したのかに思いを馳せる楽しみがあります。ヘンレ版は1冊に両方あるのでおススメ!
抜群の安定感と哀愁と歌心のルガンスキーの演奏
バラキレフ 東洋的幻想曲 イスラメイ
難曲中の難曲とされ、技術も音楽も相当なハイレベルであることをアピールすることができる曲として、主だった国際コンクールで選曲されることも。
ピアノ技術の中でもトップクラスに難しいのが「連打」と「跳躍」です。連打をふんだんに扱うこの曲は見た目にも華やかですがリスクが高いのでレパートリーと出来るピアニストはそう多くありません。
楽譜と音源
難曲を全て網羅している若手ピアニスト亀井聖矢さんの演奏
ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第3番 Op.30
ラフマニノフ渾身のピアノ協奏曲。メンタル不調から立ち直って書かれたロマンティックな第2番が最も有名で難曲であるが、第3番はさらにロシアンピアニズムがぎゅっと詰め込まれ、またラフマニノフが持ち得るすべての技術と音楽を込めた作品とされ、スコアも真っ黒である。
この曲を演目にするピアニストは、相当の技術と音楽のスキルがあり、また自信がなければ演奏不可能な楽曲である。
楽譜と音源
ピアノ2台用のリダクション楽譜の他、オケスコアも是非。
音源はグラモフォンのロストロポーヴィチ指揮、プレトニョフのプロコフィエフ第3番も収録されているものおすすめ。
ラフマニノフはプレトニョフの演奏が最高です
ラヴェル 夜のガスパール
ラヴェル作品のピアノ演奏での難しさは、ツィガーヌのピアノパートも相当なものであるが、ガスパールはピアノ作品のチョモランマと言って過言ではない。まず楽譜を読むのにものすごく時間が掛かり、読譜段階で演奏を放棄する人は続出している。相当の演奏スキルがなければ演奏すらできない。そして技術だけを追い無機質に演奏すると音楽にならない。
ラヴェル自身が、下手なピアニストに自分の作品を弾いて欲しくなくて、ちょっとやそっとの演奏スキルでは弾けない曲として書かれたと言われている。
楽譜と音源
ラヴェルの最後の直弟子だったペルルミューテルによる改訂版は、デュラン社のオリジナルでは演奏が超難な音列が書かれている箇所があり、ペルルミューテルによって演奏が少ししやすく書かれています。運指はペルルミュテルの手が相当大きかったようなので、そこそこ参考に。
こちらは23年に出たヘンレ版。ヘンレ版からラヴェルが出た!と話題になっています。
音源はポゴレリッチの若い時のがオススメ。オンディーヌが相当怖い妖怪っぽいく、スカルボの不気味さは絶品。
こちらのDebargueの演奏も絶品です。
ストラヴィンスキー ペトルシュカ
バレエ音楽のペトルシュカはもとはオーケストラ曲。2台ピアノは比較的よく演奏され、それも難しいですが、それを1人で弾いてしまうのがこれ。和音の連打という強烈なスポーツじみたテクニックの音パレードで、高い技術があるピアニストにしか演奏ができない超難曲です。