【演奏家は必ず実践する】8割は音楽的な表現になる方法
今回は、演奏家も実践する音楽の表情の付け方についてです。
表現は気持ちで!というアドバイスは全くハズレというわけではありませんが、気持ちによる表現だけに頼る事は幼稚で刹那的、また一貫性がない場合が多く、説得力に欠けまた持続性もあまりなかったりします。
具体的な表情の付け方を知っておくことはとても大切です。
伝わる演奏はセオリーが見える状態どういうことなのでしょうか。8割も音楽が作れてしまうなんて凄いですね。
ここではこの3つについて解説していきます。
- 楽譜中のフレージングや記号の読み込み
- 楽譜の模様に沿ったアーティキュレーション
- 和声進行と転調によるカラーリング
【演奏家も実践】8割は音楽になる3つの表情の付け方3選
【演奏家も実践】8割は音楽になる3つの表情の付け方3選
聴いていて美しく感じる演奏や整然とした印象の演奏は、かなり楽譜を読みこみ楽譜通りに演奏されているという特徴があります。
では楽譜を読みこんで音楽になる表情の付け方について
- 楽譜中のフレージングや記号の読み込み
- 楽譜の模様に沿ったアーティキュレーション
- 和声進行と転調によるカラーリング
深掘りしていきましょう。
楽譜中のフレージングや記号の読み込み
まずは楽譜通りというのが基本です。
あとはこういった事を読み解いていきます。
- どこにどういった音楽記号やフレーズ記号が書かれているか
- 運指は作曲者の意図かエディターによるものか
- 版によるフレージングの違いから作曲者の意図を読み取る
またそれぞれの音楽記号の教科書通りの意味とは別に、どういった意図でその記号が書かれ何を伝えようとしているものなのかを分かり、作曲家が望んでいたであろう表現に近づけていきます。
音楽記号の様々な意味を知るためにはピアノ以外の作品に関わることが大事です。
特にその作曲家が最も得意とした分野の作品には読み解くためのヒントを多く見つけ出すことができます。
またオーケストラ作品を残している作曲家の場合は、スコアを読むことはピアニストにとって様々な音色を作り上げるために必須であると言ってよいでしょう。
楽譜の模様に沿ったアーティキュレーション
楽譜中に記されている強弱や音楽記号とは別に、楽曲は音列による模様でアーティキュレーションが表現されています。
作曲家にもよりますが、どの音域からどんな音色をイメージして描いた作品なのか、どの音型ではどういう表現なのかを、音楽記号が書かれていないからと言ってスルーして演奏してしまうと、そのエリアは無味無臭な音の羅列として聴こえてしまいます。
良く知られているものとしては、指示のない音階の上行形はうっすらとcrescendoで演奏する、フレーズの終わりは指示のない限りdiminuendoで演奏するなど。
さらに深く楽譜を読むために必要な音楽用語や楽典はこの本がオススメ!
和声進行と転調によるカラーリング
和声と転調を読み解くためには、様々な音楽の知識が必要になります。
西洋音楽においての和声では、ドミナント、サブドミナント、トニックという大きく分けて3つの和音の性質があり、それぞれに方向と力の相互関係があるとルール付けされています。
それを楽曲の中でどういう調性のどの性質の和音かを分析し、相互的に強弱や濃淡をつけていくと、ほぼ音楽が出来上がってしまいます。
また転調もどういった相互関係でどの程度どうやって転調したのかによって、ほぼ色が決まっており、これもセオリーが分かれば殆ど音楽が出来上がります。
和声分析において藝大和声はⅡ巻までは必須ですが、まずは1巻を網羅しましょう。
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まとめ
演奏家も実践する音楽の表情の付け方について
- 楽譜中のフレージングや記号の読み込み
- 楽譜の模様に沿ったアーティキュレーション
- 和声進行と転調によるカラーリング
解説しました。
演奏家によるレッスンを受けると自分の演奏が一段と音楽が素敵になる理由は、分析の概要を説明して具体的にどこをどうやっているのかを言語化して頂けるところにあります。
また雰囲気やニュアンスは実際の演奏などで示すことが出来るので、より多くの情報をレッスンで得ることができます。
ここで述べた方法で楽曲を作っていくとほぼ音楽になりますが、これらを極めるには深い知識と長い演奏経験が必要になります。
そして膨大な時間もかかってしまうため、既に経験値と知識のある演奏家で教える経験も豊富な先生のレッスンを受ける意味というのは、こういった事を教わるためにあります。