【図解★ピアニストが解説】ピアノを弾くための手の3つの特徴
この記事では
ピアニストの手はピアノを弾かない人と比べてどんな違いがあるのか
についてお話していきます。
人の手は解剖生理学的にはあおむけになった時、手のひらが上を向いているのが正位とされています。
しかしピアノ演奏では180度ねじった状態で手を使うため、長期的にねじれた状態を保っているピアニストの手には様々な特徴的な変化があります。


ピアニストの手には大きく3つの特徴が見られます。
- 親指の向き
- 小指の変形
- 手の甲の筋肉
このようなところに特徴がみられます。
※注 もともとの骨格や、体の使い方のクセは人それぞれに違うので、すべてのピアニストがイラストのような手の形をしているわけではありません。一音楽家の一見解としてお読みください。
では解説していきます。
【ピアニストが解説】ピアノを弾くための手の3つの特徴

【ピアニストが解説】
ピアノを弾くための手の
3つの特徴
ピアノを弾き続けると、手はだんだんとピアノを弾くための手に変化していきます。
これは他の楽器やスポーツ、職業などでも同じですね。
ピアノを弾き続けると変化が大きく現れるのがこの3つです。
- 親指の向き
- 小指の変形
- 手の甲の筋肉
では深掘り解説していきます。
ピアニストの手
ピアニストの手の図。(筆者の手をトレースしたもの)
各番号のところに特徴があります。
- ①親指のと指の向き
- ②小指の第2関節の歪み
- ③手の甲につく筋肉

①親指の付け根と指の向き
ピアノ楽曲において、特にロマン派以降の作品では親指を根元から動かしたり、腕の重さをダイレクトに支えるために指先の指紋側が鍵盤に付くようなテクニックが必要になります。
親指は本来はつかむための指で、ピアノを演奏しない人は付け根から手のひら側に入って握ることを容易にするような形になっています。
しかしピアニストは常々親指を上下左右に動かしているため手首のあたりから持ち上がった状態で筋肉がついています。
そして爪がピアノを弾かない人に比べて上向きの傾向がみられます。
また親指の付け根から手が広がっているので、女性用の手袋などは着用するとすぐに親指の手のひら側が破れてしまいます。
もっぱら軍手のような形のものか、伸びる素材の手袋しか着用できないという不便さを味わっています。
②小指の第2関節の歪み
小指は本来はバランスを取るための指で、お箸や鉛筆をもってみてもわかるように、しっかりつかんでいる親指人差し指中指とは違って添えて使う事が殆どです。
しかしピアノ演奏においてはメロディーラインやベース音など、しっかりと音を出さなければならない指なので、それに耐えるように進化しています。
また長さの違う指々を水平な鍵盤に対して均等に手を置かなければならないので第2関節から外向きに少し変形している傾向が見られます。
③手の甲の筋肉
ピアニストの手の甲は、ピアノを演奏しない人に比べて小指側と親指の付け根が持ち上がり、構えた時、鍵盤に対して水平な状態に発達しています。
これは小指や薬指を独立した動きや腕の重さに耐えるように訓練し続けると、指を支えている手の甲の筋肉がそのように発達していくからです。
またハードなトレーニング中のピアニストには、小指の付け根から手首に欠けての側面に、力こぶが見えるほどの筋肉がつきます。
まとめ
ピアニストに限らずですが、楽器弾きにはそれぞれの楽器を演奏を長年続けたが故の体の変形があります。
もともとの骨格や、また体の使い方のクセが違う人もいるので、すべてのピアニストが上記のイラストのような手の形をしているわけではありませんが、変形したり発達する場所はだいたい図の①~③の箇所です。
親指と手の甲をみれば、その人のテクニックがどれほどなのかがよくわかります。
またピアニストは多彩な音色を高度な技術をもって表現するために、テクニックの安定や向上が欠かせません。
基礎練習を積むことでそのポテンシャルをキープしています。
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