【コンクールの審査基準と傾向】審査員の4つのタイプと講評の特徴
コンクールを受けると評価に納得がいかない…と思っていませんか?気になることはこんなところではないでしょうか。
- 審査員の好みの演奏をしないといけないのか
- 審査にどのような基準があるのか
- どういった人がコンクールの審査をしているのか
- 講評に信憑性はあるのか
- なぜ先生によって講評や点数が割れることがあるのか
この記事ではコンクールの審査員を大きく4つのタイプに分けてそれぞれの講評の特徴について解説していきます。
ここで言うコンクールは、学生音コンや日本音コン、国際コンクールといった大規模なものではなく、受験者の幅が広く全国各地で地方予選がおこなわれるタイプのコンクールにおいてです。
大きなコンクールは審査員が開催前から公表されていて、全てが現役演奏家や著名大学の准教や教授なので、高い水準で審査がされている事がわかりますが、全国規模のコンクールの地区予選では様々なタイプの審査員がいます。
審査される先生は4つのタイプがいます。
- 教える事のみで、生徒さんが沢山コンクールを受験されている
- 教える事を中心に、講師演奏などで時々演奏をしている
- 教える事と演奏活動を両立している
- 演奏が主な活動である
どのタイプでも個人差や価値観の違いもあるので、そういう傾向があるという程度にお読み頂けると幸いです。
【コンクールの審査基準と傾向】審査員の4つのタイプと講評の特徴
【コンクールの審査基準と傾向】審査員の4つのタイプと講評の特徴
最近のコンクールは演奏に対しての審査の講評を頂けるものも多いですね。
講評が審査員によって全く正反対のようなことが書かれていて、どういう事なんだろう…と疑問に思われたことはありませんか?
審査員が色んなタイプがいるのは審査が偏らないためだったりします。でも書かれていることが違っているとなぜ?と気になりますよね。
審査員も音楽の携わり方がそれぞれ違います。普段どのような活動におもむきがあるのかによって音の聴き方が違う ので演奏に対して持つ感想も違ってきます。
では4つのタイプの審査員の講評の特徴について深掘りしていきましょう。
- 教える事のみで、生徒さんが沢山コンクールを受験されている
- 教える事を中心に、講師演奏などで時々演奏をしている
- 教える事と演奏活動を両立している
- 演奏が主な活動である
1.教える事のみの審査員
演奏活動は全くしておらず指導だけをされている審査員です。審査員になっているのは生徒さんを多くコンクールに出して入賞の実績があるからです。
レッスン可能なのはお子さんから専門的ではない大人まで。専門に進む生徒さんには現役の演奏をしている先生でないとレパートリーがおいつかないため難しくなります。
お子さんと親の様子をみながらレッスンが出来たり、出来ない事に寄り添って下さる親身なタイプの方が多いです。しかし時々封建的で厳しいタイプの先生もいます。
- 先生のいう事を良くこなせているか
- 自分の表現をしているか
- 子供の場合は子供らしい豊かな表現であるか
- 優しい先生は、良い所を見抜いた親身で暖かいアドバイスが多い
- 演奏経験値が低いため、専攻や受験生に対するアドバイスは具体性はなく印象を書く傾向がある
2.教える事と少し演奏をしている審査員
指導が主ではあるが、発表会の講師演奏や伴奏などでは時々演奏されている審査員です。ご自身もレッスンに通って演奏スキルを保っておられる方が多いです。
- 自身のスキルがある部分では技術的な面のコメントをされる場合もある
- 演奏経験があるので辛口コメントになる場合もある
- 演奏の苦労もわかるため励ましコメントもある
- 自発的というより、受け売り的なコメントもある
- 指摘箇所がぼんやりしたり向上のための具体性に欠ける傾向がある
3.教える事と演奏の両活動をしている審査員
年間に数本のリサイタルクラスのコンサートをこなしながら、子供から受験生や専門の学生を指導されています。コンクール審査では比較的割合が多い審査員です。
普段の演奏経験とレッスン経験から、自身の演奏スキルを論理的に顧みて提供することが出来るので、実践的なアドバイスが多いのが特徴。
- 演奏を論理的に説明してもらえる
- 演奏のどこにどういう問題があり、どうやったら解決できるかを言語化できる
- 受験生や専攻のレッスンが多いので細かい指摘が多い
- 具体的で的確な講評であることが多い
- 一歩前進できるアドバイスが多い
4.演奏が主な活動である審査員
音楽活動の大部分が演奏することにある審査員です。教える事も並行している方が多いですが高校生大学生相手のレッスンが多いので、専門的な傾向があります。
弾けていない事に対しての救済的なことはせず何かをアドバイスすることもあまりありません。
音楽家としての自身の演奏が基準となり、演奏には音楽がそこにあり、それを表現しうる技術があることが前提なので、身の引き締まるコメントが多くなります。
- 波長の合わない音楽に対してかなり手厳しいコメントになる
- 自身がライブでの演奏経験が豊富なため、ちょっとしたミスや舞台上のアクシデントに対しては寛容
- 音楽的であるか、流れがスムーズか、バランスが良いかなど、演奏家として舞台上での音楽の聴き映えに対するアドバイスが多い。
まとめ
コンクール審査員の4つのタイプ
- 教える事のみで、生徒さんが沢山コンクールを受験されている
- 教える事を中心に、講師演奏などで時々演奏をしている
- 教える事と演奏活動を両立している
- 演奏が主な活動である
審査員個人の語彙力や人間性にもよるところがあるので断定はできませんが、普段どのような形で音楽に携わっているかによって、このようにコメントは大きく変わってきます。
良い演奏に対してはどのタイプの審査員も一致した意見になります。
しかし講評が割れる時は、技術的に何かが足りなくて音楽として美しくなかったり表現に説得力がない状態の時に、改善を書くか、出来てるところを褒めるか、出来てない所を指摘するかによって講評の内容が変わります。
また自分のれパートリーだったり、よくレッスンする曲には審査員にもともと音楽のバイアスがかかってしまっているので、厳しい内容になりがちです。
以上、審査員の4つの特徴を解説しました。
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