【バッハ演奏のコツ】コンクールや受験のバッハ課題で審査されること
【バッハ演奏のコツ】コンクールや受験のバッハ課題で審査されること
バッハの曲の多くは対位法という作曲手法で書かれています。これはメロディーと伴奏のような明快な造りではなく、声部とよばれるパートが何層かになって造られています。
イメージとしては、混声合唱の各パートがそれぞれにメロディーを歌ってて、それが合わさって音楽になる感じです。
そのような何人分ものパートをピアノでは一人で演奏します。演奏のコツは以下のような点を気を付けることです。
- 対位法の構成を理解していること
- 各モチーフのキャラが立っていること
- バロックっぽい雰囲気であること
コンクールや受験のバッハ課題で審査されること
ではコンクールや受験においてのバッハの審査ポイントはどういうところにあるのでしょうか。上記の演奏のコツをふまえ、以下3つのポイントを見ていきましょう
構成を理解しているか
バッハ作品の構成でおさえておくポイントはまずこの2つです。
- 対位法
- 調性
課題曲に出されるインヴェンション、シンフォニアや平均律といった作品は対位法で書かれています。
何故かというと、バッハ自身が作曲技法や調性を生徒に教えるためや自分の勉強のために書かれたものだからです。
そのことからも、まずはどういった対位法でどの調性で書かれているのかを分かって演奏しなければなりません。
この技法で描かれたものは一音たりとも無駄や無意味な音がありません。それを理解し音として表現できているかが問われます。
適切なバランスであるか
演奏のバランスで大切なのは以下の2点です。
- モチーフごとのキャラの立たせ方
- デュナーミク
バッハの活躍していたバロック時代は、現代のピアノのように大きな音や多くの倍音を含む音が出せる鍵盤楽器ではありませんでした。
音域も狭く発音の仕方も現代のピアノとは全く違うものであったことを考慮すると、あまりにも情感豊かにデュナーミクの幅を大きく演奏することは好ましくありません。
しかし演奏するのは現代の音色豊かなピアノですよね。
構成を理解して、現代の楽器に合った表現をしつつバロック感を出すことが大切になってきます。
適切な音色であるか
バッハを演奏する時の音色で考えなければならないのは当時どのような楽器で演奏されていたかということです。
バロック時代の主な鍵盤楽器
- チェンバロ 【伊】(ハープシコード【英】、クラヴサン【仏】 )
- オルガン
- クラヴィコルド
それぞれ発音の仕組みが違っていて、各楽器に得意不得意な音型があります。
なので演奏される楽曲の種類も違っていたと考えられます。
その楽曲が、どの鍵盤楽器で演奏するために書かれたのかを理解し、どのようなテンポでどの様な楽器の音をイメージすればよいのかを分かって音色づくりをする必要があります。
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