音楽家がやっている演奏する曲の理解を深める勉強
音楽家ってどうやって曲を勉強しているの?自分の勉強方法は何が違うのだろう?そんな疑問を持ったことはありませんか?
演奏する機会はさまざまあります。ピアノの場合は主催コンサートや客演でのコンサート出演、リサイタル伴奏、イベントでの演奏、オーディション・コンクール伴奏などがあって、それぞれに演奏の仕上げ方やクオリティに違いがあるのが事実です。
なぜなら、リサイタルのような気合の入ったものと、ソリストを引き立たせるオーディションやコンクールの伴奏では演奏のテンションも気をつけることも違ってくるし、結婚式やセレモニーで演奏する場合、あまりにもガチだと返って式や会をぶち壊しかねないので、状況にあった演奏をしているからです。
この記事では比較的じっくりと勉強できる機会に演奏する楽曲に対して、音楽家が行っている勉強方法の一部をご紹介します。
結論から言うと、細かく奏法や演奏技術をフィットさせていく、音楽を深掘りする…ということをします。
ここでは2つ目の音楽を深掘りすることについて以下の2点についてお話していきます。
- 楽曲分析をする
- 曲目解説を書く
この作業をやるのとやらないのでは楽曲に対する景色が大きく変わり、また意見交換をする場面でも知識や理解があった方が色んな表現に対応できます。
では解説していきましょう。
音楽家が演奏する楽曲の理解を深めるための勉強法をちょっとだけ教えます
楽曲を演奏するためには、演奏すること以外の勉強がかなり重要だったりします。
ざっくり言うとこの2つを勉強します。
- 楽曲分析をする
- 曲目解説を書く
ではさらに深掘りしていきましょう。
楽曲分析をする
楽曲分析は簡単に言うとこんなことをします。
- 大きな構成の理解
- 細かい動機などの整理
- 和声進行・調性
バロックや古典は形式にのっとって書かれている作品が多いので、分析をすることである程度の形ができあがります。形式の外枠と和声の分析を主に勉強します。
ロマン派もまだ機能和声は健在。転調と和声の動きを把握することで、8割ほどは音楽の描き方がわかるようになります。
楽曲分析は和声や対位法が分かっていないとできないしちゃんとやろうと思うと時間もものすごくかかります。
ですが演奏や指導する上では必須。作曲家や楽理先攻レベルまでには至らないですが、会話で専門的な内容になった時に対応できる程度には勉強しています。
分析に参考となる本
藝大和声はⅡ巻のサブドミナント諸和音のあたりまでは把握しておきたい所です。
記号が他の和声の表記と違ったりもしますが、諸和音が一覧化されているので多少ややこしめの和声も探すことができます。
曲目解説を書く
楽曲の構成や中に書かれている指示がなぜそう描かれたのかという事を考えるのに、作曲者の生涯や功績、性格、またほかの作品の作風などを知る事が必要です。
得た知識を消化し解説としてアウトプットすることでより自分自身の理解を深める事ができます。
また解説のライティングを積み重ねることによって、より端的な言葉を選んで指導するというスキルアップにもつながっていきます。
コンサートでの演奏活動をしている音楽家は解説を書くのは比較的日常的に行っているので、背景の勉強やアウトプットには慣れている人が多いです。
まとめ
特に楽曲分析は1~2か月、複雑なものだとそれ以上の期間を要します。
リサイタルになれば、80~90分の楽曲の分析をすることになります。
ややこしい楽曲は分析に脳ミソがしびれる事もしばしばですが、一通り済ませてから弾き直すと、ある程度の音楽の作り方が分かるようになりカオス状態から抜け出してスッキリします。
そして楽譜のすごさや、作曲家からのメッセージを認識することができるので、音楽家はしなければならない作業です。
音楽家が行っている勉強法
- 楽曲分析をする
- 曲目解説を書く
この2つを解説しました。
サイト内関連記事
レッスンコンテンツ
バッハ 平均律のレシピ
バッハ平均律の勉強の仕方がわからない…そんな方に平均律を勉強する時のポイントをプレリュードとフーガ2巻の13番を題材に解説しています。
どの平均律でも共通していて音楽にしていくためのコツをプレリュードとフーガそれぞれ7つの項目動画にしました。
本編 平均律のレシピ 内の動画はYouTubeにダイジェスト版をアップしています。
YouTube
演奏・ネタ動画チャンネル
トレーニング・レッスン動画チャンネル