「自由」や「自然」に聴こえる演奏は実は楽譜通り
今回は自由に聴こえる演奏についてのお話です。
自由に聴こえる演奏は、心の赴くままに演奏してるんじゃないの?
と思っている人もいるでしょう。
しかし、実際には自由に聴こえる演奏はかなり論理的で計算された部分が多くあります。
どんな事実があるのかと言うと…
- めちゃ楽譜通り
- テンポや拍感は安定
- 興奮しすぎず意外と冷静に弾いている
自由に心の赴くまま…という表現からはかなり違ったイメージだと思います。
では解説していきます。
それってホントですか!?自由に聴こえる演奏の意外な事実
日常においても、自由と勝手は違う!という表現をしばしば聞くと思いますが、演奏にもコレって当てはまったりします。
自由に聴こえる演奏は、聴衆に「自由な演奏」として聴こえるだけであって実際にはかなり論理的。
ものすごく楽譜を読みこんで安定した音楽のフレームの中で演奏されています。
では、以下の3つ
- めちゃ楽譜通り
- テンポや拍感は安定
- 興奮しすぎず意外と冷静に弾いている
深掘りしていきましょう。
めちゃ楽譜通り
楽譜通りというのはこういうことだったりします。
音符やリズムを拾って音を出すという事ではなくて、もう少し深い楽譜の読み方だったりします。
どういった楽譜に書かれていることを読み取っているのかは以下。
上段は楽譜に書かれていて比較的見つけやすいもの。下段は楽曲分析や和声などの知識が必要なもの。
比較的見つけやすいもの
- 強弱や変化記号、楽想の指示など
- スラ―やスタッカートに含まれるフレーズの処理
知識が必要なもの
- 調性の持つ色などの表現
- 音型が持つ表現
- ポリフォニーの表現(内声やバスに隠れてる横のラインとか)
- 和声進行に合った音色とバランス
自由な演奏には、かなりの専門的な知識と楽譜から多くの情報を読み取る能力が必要だという事がわかります。
テンポや拍感は安定
アゴーギクがたっぷりある演奏でも俯瞰してみると大きな拍の感覚は安定している。という感覚です。
大きな拍の感覚は合わせて、拍と拍の間は自由に演奏するというアンサンブルの経験を多く積むことで、かなり鍛えられる能力です。
アゴーギクの度合いや分量は人によって好みがかなり違うため、拍感の逸脱ギリギリのところを突く演奏というのは、賛否両論がある場合があります。
興奮しすぎず意外と冷静に弾いている
演奏する時には、どわーっていうエネルギーが必要ですが、それに呑まれず、集中はするけど我を見失ってはいない。という感じです。
若い演奏家は意識飛んでる人もいますが、年齢と共に冷静さは備わってくるという感じです。
まとめ
自由に聴こえる演奏は、実は論理的で計算されているという事について、以下3点
- めちゃ楽譜通り
- テンポや拍感は安定
- 興奮しすぎず意外と冷静に弾いている
解説しました。
自由な演奏に聴こえるためには楽譜の読み方にかなりの専門的知識を要します。
調性の色、音型が持つ表現、ポリフォニーの理解、和声の理解など。
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興味ある方は是非勉強してみてくださいね。