NOが言えないから辛い!ハラスメントに合う人の問題点とハラスメントをする人の特徴
ハラスメントは「イヤだ!」と思っているけどなかなかイヤの意思表示が上手くできなくて、している側は気づいていない事が多いです。
音楽の業界でも特に先生と生徒の間柄においてはハラスメントは起きやすい。
デフォルトの状態で主従関係が存在するのでかなり気を付けていなければハラスメントになります。
- 上からの物言い
- 出来てない事に対して怒りをぶつける
- 人格否定
- 過度の叱責
- 門下生をあからさまにランキングする
- フレンドリーすぎる接し方
- 冗談のつもりの暴言
- 断れない状況での強要
- 内外で生徒や他の先生の立場が悪くなるウワサをばらまく
先生なんだから生徒なんだからと立場を固定化した価値観をもってしまうのもハラスメント発生の原因です。
え、そんなこともハラスメントなの?と思うことでも受け取る側が「イヤだ!」と思えばそれはハラスメントになります。
このようなハラスメントに苦しんでいる人は少なくありません。
被害に遭った事のない人やハラスメントする側は
はっきりNOを言わないからだ
と責める人もいます。
しかし実際にハラスメントに遭ってしまった人と同じ境遇で同じような性格だったとして、そのセリフ言えるでしょうか。
長年主従関係にさらされ、抗う術を知らなければNOを一言いうのがどれだけの恐怖があるのかは当事者にしか分からないことです。
ハラスメントは受けた当事者にしか分からない苦しみや、どうすることもできないことがあります。
この記事では以下を解説していきます。
- ハラスメントとは
- ハラスメントに関する法律
- ハラスメントの種類
- 特に多いハラスメント7選
- ハラスメントをする人の特徴
- ハラスメントを受けてしまう人の問題点
- ハラスメントから逃れるために
ハラスメントに苦しむ人がハラスメントから抜け出す行動のきっかけになればと思います。
ハラスメントをする人の特徴と被害の多い7つのハラスメント
ハラスメントがちゃんと定義づけられています。
またその種類も50近くあります。
最近では法律もできました。
ではハラスメントについてみていきましょう。
ハラスメントとは
ハラスメントは「人に対する嫌がらせ」のこと。
相手が不快に感じる行為かどうか
が定義です。
行為を行った側の認識ではなく、受け取った側が不快だと感じればハラスメントになります。
なので「悪気はない」とか「そんなつもりじゃなかった」という言い訳は通用しません。
ハラスメントに関する法律
ハラスメントに関する新しい法律ができたわけではなく、労働施策総合推進法が改正されて「パワハラ防止法」という総称が使われています。
厚生労働省はパワハラ防止法を大企業は2020年6月1日からスタートさせました。
また中小企業は2022年3月31日までの努力義務期間を設けたうえで、2022年4月1日から施行されることになっています。
2020年6月に改正されたパワハラ防止対策関連法に含まれるのは、以下の5つの法律です。
・労働施策総合推進法
・女性活躍躍進法
・男女雇用機会均等法
・労働者派遣法
・育児・介護休業法
こちらは雇用されている人が職場で受けたハラスメントに対しての法律です。
その他代表的なハラスメントに対しては以下が適応される場合があります。
- パワハラ
- 傷害罪 15年以下の懲役または50万円以下の罰金(傷害罪は精神的な障害に対しても適応)
- 暴行罪 2年以下の懲役または30万以下の罰金、または拘留、または科料
- セクハラ
- 傷害罪
- 強要罪 3年以下の懲役
- 名誉毀損 3年以下の懲役、または禁錮、または50万円以下の罰金
- 侮辱罪 拘留、または科料
- 場合によってさらに重い罪になる場合
- 暴行罪
- 強制わいせつ罪
- 強姦罪
刑法の詳細はこちらのサイト ⇒ 弁護士による労働相談SOS
ハラスメントの種類
ハラスメントは50近くあります。人が不快に思うものの種類は多様なので言い出せばキリはありませんがこのようなものがハラスメントとして言われています。
- セクシャルハラスメント(セクハラ)
- パワーハラスメント(パワハラ)
- モラルハラスメント(モラハラ)
- マタニティハラスメント(マタハラ)
- パタニティハラスメント(パタハラ)
- アルコールハラスメント(アルハラ)
- ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
- アカデミックハラスメント(アカハラ)
- リストラハラスメント(リスハラ)
- テクスチュアルハラスメント(テクハラ)
- キャンパスハラスメント(キャンハラ)
- スクールセクシャルハラスメント(スクハラ)
- ドクターハラスメント(ドクハラ)
- カラオケハラスメント(カラハラ)
- スモークハラスメント(スモハラ)
- ブラッドタイプハラスメント(ブラハラ)
- テクノロジーハラスメント(テクハラ)
- エイジハラスメント(エイハラ)
- シルバーハラスメント(シルハラ)
- マリッジハラスメント(マリハラ)
- ペットハラスメント
- スメルハラスメント(スメハラ)
- エアーハラスメント(エアハラ)
- ソーシャルハラスメント(ソーハラ)
- 就活終われハラスメント(オワハラ)
- 家事ハラスメント(カジハラ)
- ゼクシャルハラスメント(ゼクハラ)
- パーソナルハラスメント(パーハラ)
- ラブハラスメント(ラブハラ)
- レイシャルハラスメント(レイハラ)
- レリジャスハラスメント
- ヌードルハラスメント(ヌーハラ)
- フォトハラスメント(フォトハラ)
- カスタマーハラスメント(カスハラ)
- 時短ハラスメント(ジタハラ)
- ケアハラスメント(ケアハラ)
- ソジハラスメント(ソジハラ)
- グルメハラスメント(グルハラ)
- コミュニケーションハラスメント(コミュハラ)
- お菓子ハラスメント(オカハラ)
- 告白ハラスメント(告ハラ)
- エンジョイハラスメント(エンハラ)
- セカンドハラスメント(セカハラ)
- ハラスメントハラスメント(ハラハラ)
- ズームハラスメント(ズムハラ)
- リモートハラスメント
- ワクチンハラスメント
特に多いハラスメント7選
最も多いのがパワハラ・モラハラ・セクハラではないでしょうか。
では以下の7つを簡単に解説します。
- セクハラ
- パワハラ
- モラハラ
- ジェンハラ
- アカハラ
- エイハラ
- セカハラ
セクシャルハラスメント(セクハラ)
セクハラは「性的な言動により不利益を被ること」を言います。
- 性的な内容の発言
- 性的な事実関係を尋ねる
- 性的な内容の情報(噂)を流す
- 性的な冗談やからかい
- 食事やデートへの執拗な誘い
- 個人的な性的体験を話す
- 性的な行動
- 性的な関係を強要
- 必要なく身体へ接触
- わいせつ図画を配布・掲示
- 強制わいせつ行為、強姦
参照:労働問題弁護士ナビ セクシュアルハラスメント(セクハラ)とは結局どこから?
音楽業界ではこういう事例が咎められることなく日常茶飯事だった時代もあります。
パワーハラスメント(パワハラ)
厚生労働省は職場のパワーハラスメントを6つに分類しています。
- 身体的攻撃 暴行
- 精神的攻撃 侮辱・暴言・脅迫・名誉毀損
- 人間関係の切り離し 仲間外れ・無視
- 過大な要求 能力を超えた仕事をさせる
- 過小な要求 能力経験より程度の低い仕事を与え適切な仕事を与えない
- 個の侵害 私的なことに立ち入る・個人情報の暴露
具体例
身体的攻撃
- 殴る
- 蹴る
- 胸ぐらをつかむ
- 威嚇する
- 相手に物を投げつける
- 威嚇で物を蹴ったり叩いたりする
精神的攻撃
- 人格を否定するような言動
- 必要以上の長時間にわたる厳しい叱責を繰り返す
- 他の人の面前で大きな声で威圧的な叱責を繰り返す
- 相手の能力を否定し罵倒する内容のメールなどを相手を含む複数の労働者に送信
- 立場が悪くなる内容の噂を流す
人間関係の切り離し
- 集団で無視をする
- 必要な連絡事項を教えない
- 自身の意に沿わない者に対し仕事を外す
- 職場で孤立させる
過大な要求
- 終わりそうにない仕事を丸投げ
- 必要な教育を行わないまま、到底対応できないレベルの目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責
- 苦痛を伴う過酷な環境で勤務に直接関係のない作業を命ずる
- 業務とは関係のない私的な雑用の処理を強制的に行わせる
過小な要求
- 嫌がらせのために仕事を与えない
- 本来の仕事とは別の誰でもできるような簡単な仕事をさせる
個の侵害
- プライベートに過度に干渉する
- 仕事時間外に関係ないことを個別に連絡
- 監視
- 私物の写真や了承なく動画を撮る
- 個人情報を本人の了解を得ずに暴露
こちらのサイトで自分自身がパワハラをしていないかのチェックができます。
人材育成コラム パワハラとは?おかしいと思ったら確認!簡単にできるチェック項目を解説
モラルハラスメント(モラハラ)
パワハラは職場など地位や権力を利用したハラスメントで法律で定義されていますが、モラハラには法的な定義はありません。
モラハラは言葉や態度で相手の人格などを攻撃し、個人の尊厳を否定する精神的な暴力のこと。
パワハラが上司から部下にされるのに対し、部下から上司、閉鎖的な家庭内やパートナー間でも起こることが多いハラスメントです。
- 人格否定
- 暴言
- 公然で侮辱
- 学歴・職歴差別
- 育児・家事を見下す
- 自分の価値観の押しつけ
- 失敗を責め続ける
- 話しかけても無視
- イライラしてものに当たる
- 理由なく急に不機嫌に振舞う
- 怒号を発して威嚇
- 自分の非を認めない
- 束縛
- 行動の支配
参考:Merci モラハラの意味と具体的な言動とは?モラハラ夫の特徴とやっておくべき対処法
パワハラには暴力的要素も含まれますが、モラハラは精神的苦痛とされています。…が暴力もありますよね。
ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
性別による社会的なイメージを押し付け圧力をかけるハラスメントです。
- 女のくせに・男のくせに
- 女らしく・男らしく あるべき
- 女性にお酌やお茶くみ
- 子どもが小さいうちは、母親は子育てに専念すべき
- 女性は家事をしなければいけない
- まだ結婚しないの?
アカデミックハラスメント(アカハラ)
アカハラは大学をはじめとする教育現場で立場や権力を使って、修学・教育・研究などに支障をきたす行為とされています。
アカハラは加害者に加え学校側にも損害賠償責任が発生してしまいます。
教育現場は閉鎖的でそしてヒエラルキーが明確にある現場なのでハラスメントが多発します。
- 指導・研究中の些細なミスを過剰に叱責
- 言うことを聞かないと学位をやらないなどの脅迫
- 長期間にわたって朝から深夜まで実験させる
- 学生の業績を自分の業績にする
- 論文を盗用
- 研究妨害
- 業績を不当に低く評価
参考:弁護士による労働相談:アカデミック・ハラスメント(アカハラ)【弁護士が解説】
エイジハラスメント(エイハラ)
年齢によって差別するハラスメント。
特に年齢によって人間の価値を決める風潮がまだある所ではこのハラスメントはよく起こります。
- 年齢を理由に話から外されたり仕事を制限する
- 結婚や恋愛などを年齢に関わらせて話題をふってくる
- 若手をバカにする
- 若い事を理由にこき使う・従わせる
- 若さを理由に実力を認められない・業績の横取りをされる
- オジサン・オバサン呼ばわり
- 世代で差別をする
セカンドハラスメント(セカハラ)
セカンドハラスメントは、セクハラやパワハラを受けた人が勇気を出して相談したにもかかわらずさらにバッシングを受けたり、相談内容を流布されてしまう二次被害のこと。
セカハラはかなり精神的にショックが大きく、セカハラを恐れもととなるハラスメントを泣き寝入りしてしまうことも少なくありません。
- 被害者に責任があるとせめる
- 被害の事実を否定する
- 社会はそういうものだと相手にしない
- 被害者の勘違いだと決めつける
- 相談内容を言いふらす
- 私は耐えたと自分の価値観を押し付け
- 被害者の不利益を強調して黙らせる
- 加害者を擁護する
- 被害を告白したにもかかわらずもみ消される
参考:みんなのキャリア相談室 【セカンドハラスメントとは】二次被害を防ごう!意味・具体例・対策・対処法
ハラスメントをする人の特徴
ハラスメントをする人はこんな特徴があります
- プライドが高い
- 高学歴・社会的地位が高い
- 実は劣等感のかたまり
- 幼少期の愛情不足
- 仕事のストレスが高い
- 自己保身が半端ない
- 立場が悪くなると態度を変える
人を見下す、能力を認めない、容姿を貶す、出来ない事をバカにする…こういう人は人格障害である可能性が大です。
人を攻撃するのは脳の機能障害であったり、ドーパミン依存症だったりもします。
上記つの特徴にあてはまるのが自己愛性パーソナリティ障害、ナルシスト、マキャベリストといったダークトライアドとも重なるところが多いです。
困った人たちの心理・特徴・対処法の記事はこちらから。
ハラスメントを受けてしまう人の問題点
やはりNOを言えない、毅然とした態度が取れない事が問題です。
しかしNOが言えるのであればハラスメントで悩むことはありませんよね…。
言えないからハラスメントに合うし、言えないから苦しむのです。
恐怖と精神的苦痛で抗う気力を奪われるくらいの暴力や暴言を受けているのです。
NOを伝える方法
NOを言うことも大事ですが、感情的に訴えるようにNOを言うのが苦手と言う人もいます。
そしてなによりもセカハラやさらにハラスメントがエスカレートすることへの不安もあります。
言えないけれど、こんな態度なら取れるかもしれない…というのが
「真顔で3秒みつめてから返事をする」
相手に何某かを訴えるまず第1歩です。
こちらのぱやぱやくんのツイートがとても参考になりました
ハラスメントから逃れるために
いくつか対策をご紹介します。
ハラスメントがあったということを形にして残すことが必須です。
証拠がなければ泣き寝入りせざるを得なくなってしまいます。
難しいですが冷静になって自分自身を「証拠!」と鼓舞してください。
- 証拠となるやりとりを残す
- LINEやメッセージのスクショ
- 会話を録音
- 可能ならハラスメント現場を録画
- リアクションを一切取らない
- 下手な言動をとると法的に不利になる場合があるから
- 法的な知識を得る
- 相手に自分の認識と規約や法律の話をする
- 訴える準備があることをアピールする
- 身体精神症状がある場合は病院へ行って診断書をもらう(精神的苦痛があれば被害届を出すことができます。傷害罪が適応される場合があります)
感情的になってしまうと正しい判断が出来なかったり、自分の言動によっては不利になることがあります。
SNSなどで悪口をぶちまけてしまったり過度な名指し批判をすると逆に誹謗中傷で訴えられかねません。
冷静になって、ちゃんと専門のところにまずは相談に行きましょう。
客観的に専門家に話を聞いてもらうだけでも心が少し軽くなりますし、その後の行動を決めやすくなります。
弁護士相談紹介サイト
まとめ
ハラスメントについて解説しました。
以前はこういった事があってもこれを乗り越えてこそ!というような風潮がありましたが、経験から言うと我慢してヘラヘラ笑ってハラスメントを受け続けると
- いずれ精神が持たなくなる
- 適応障害やウツになる
- 数年棒に振る
こんなことになります。
ハラスメントから逃れるために、少しでも消耗が少なくするために法や制度の知識、どういう所へ相談したらよいかを知っておくの大事です。
今、ハラスメントに苦しんでいる人が行動をおこして幸せに暮らせる日々を手に入れられますように。
参考サイト
- HR NOTE 39のハラスメントをまとめてみた
- カオナビ ハラスメントの種類とは? 発生する理由、対処法、関連法律
- 厚生労働省 職場におけるハラスメントの防止のために
- 弁護士による労働相談SOS パワハラ・セクハラは犯罪!?職場の違法行為まとめ
緊張や不安をコントロールするマインドフルネス
緊張や不安は意識が過去や未来に向いてしまう事で起こります。
「今」に集中するマインドフルネスを取り入れる事で、緊張や不安はコントロールすることが出来るようになります。
Googleなどの大企業でも取り入れられ、緊張と隣り合わせの演奏家たちも実践しています。
緊張や不安に悩む人は是非お試しください!
【マインドフルネス書籍】