【楽曲分析】音楽を理解する楽譜の裏側3つの分析ポイント
楽譜をよく読みなさい、深く読みなさい、楽曲分析をしなさいと言われて何をすればよいか分からない…と悩んでいませんか?
ピアノの上級者になると楽曲分析の力をもとめられます。なぜなら曲を理論的に理解することでより表現に説得力が増すからです。
楽譜の裏側を読むことを簡単に言うと「書いてある音符や記号をただ音にするだけでなく、音列や和声によって表現されていることや、どういう効果があるのか、どういった意図で書かれているのかなどを深く理解する」ことです。
では、何をしたらよいのか詳しく解説していきましょう。
- 楽譜の裏側の秘密
- 実際にどうやって読むのか
【楽曲分析】音楽を理解する楽譜の裏側3つの分析ポイント
【プロ音楽家も必ずやる】
音楽を理解する
楽譜の裏側3つの分析ポイント
音楽を理解するために「楽譜の裏側を読む」という表現をよく使います。
表面的な音符やリズムを見て演奏するのではなく、楽譜から様々な情報を深く読み取るということです。
以下の3つがポイントです。
- 楽曲の構成(フレーム)
- 和声や調性(カラー)
- 楽曲の背景(バックボーン)
こういった情報を楽譜から読むことは楽曲の理解には絶対に必要です。
楽曲をよく読むことは演奏の質にも深くかかわっています。
ではさらに深掘りしていきましょう。
楽曲の構成(フレーム)
楽曲の構造がどうなっているのかを見ていきます。
フレームの代表的な型は以下3つです。
- フーガなどの対位法
- ソナタなどの形式
- 自由形式
西洋音楽では、調性や形式をぶっ壊す目的で書かれた特殊な現代曲でないかぎり、ある一定の法則を見出すことができます。
フレームを理解する意味は、
建物の大きさがどれくらいか、どのような場所にあるのか
といった事がわかるのと同じです。
その建物の構造がどうなっているのかを分かることで、曲の在り方のようなものが分かります。
和声や調性の変化(カラー)
和声や調性の変化の理解は、
どういうものでできていてどういった配置になっているか
を読むということです。
和声と調性がどのような役割をしているのかは以下のとおりです。
- 一定のルールがある
- 進行に意味がある
- 機能によって力関係がある
- 和音の強い弱いで動きが生まれる
例えば…
属和音から主和音へ進行すると完全終止という形で、文章の句点のような役割でホッととするような表現になるなど。
- 色の変化
- 曲の雰囲気に関わる
調性には様々な研究者や作曲家が色を伴ったイメージを持っています。
調性は変わると周波数が変わるため色が変わったように感じます。
なので作曲者は調性にカラーイメージの役割を持たせて作曲していたと考えられます。
調性の変化はスムーズに変わるものもあればガラッと雰囲気が変わるものもあります。
どの程度の転調をどの和声をきっかけに変わるのかを理解することで、どういうふうに演奏したらいいのか、ほぼ決まってきます。
作曲者の国や時代背景(バックボーン)
作曲者によって音楽の雰囲気は全く違いますよね。
和声の使い方やリズム、またメロディの書き方がそれぞれのに特徴的なクセがあるからです。
なぜそのような描き方をするのか、それをどう表現したらよいのかを想像するためいには、作曲者自身の性格、国や時代背景をまず知らなければなりません。
知っておくと表現に役立つバックボーンは以下のようなところでしょう。
- 生い立ちとその環境
- どういう性格だったのか
- どうやって音楽に触れて学んできたのか
- どの国でどのような状況で曲を作ったのか
- 時代の情勢
これらを知ることでさらに楽曲の理解が深まります。
また作曲者の人生を知ることで共感や反感も生まれるので、情動的な部分でのイマジネーションを得る事もできます。
まとめ
楽譜の裏側とはソルフェージュ的な読譜や直感的な音楽だけではなく、理論的に楽曲を読み解いていくことを指します。
これは楽曲分析という分野にあたります。
また作曲された意図や背景は西洋音楽史という分野です。
作曲者の性格やその当時の時代の生活などを知ることによって、様々な音楽の解釈が現代のものとは違うという事の認識につながっていきます。
上級者になると、譜読みの音符やリズムを読む段階から並行して裏側の部分も読み取っていく必要があります。
演奏をより深めていくためには必要なので、音楽の理解を深めるためにも、しっかりと楽譜の裏側を読んでくださいね。
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